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動物解放運動 〜 Vigil (ヴィジル) 編 〜

動物解放運動 〜 Vigil (ヴィジル) 編 〜

Hello!

動物解放活動家のai @vegini_ai です。

これまでのブログでも、私が参加してきたヴィーガンの運動について少しだけお伝えしてきましたが、今回はその中でも「Vigil (ヴィジル)」 について、更に詳しくご紹介したいと思います。

さて、Vigilについて説明する前に、みなさんにぜひ考えていただきたいことがあります。

なぜ私たち人間は、特定の動物は可愛がり、ある特定の動物だけを、食べるのでしょうか?

道徳的にみたときに、豚と犬とでは、何か違いがあるのでしょうか?

THE SAVE MOVEMENT

はじめに、この活動はベジタリアンであったマハトマ・ガンジーやレオ・トルストイが唱えた「信愛に基づく非暴力」の方法に基づいて行われていることをお伝えしたいと思います。特にロシアの小説家で社会改革家でもあったトルストイによる、以下の言葉が基盤になっています。(*1)

目の前の生き物の苦しみがあなたの胸を締め付けるのならば、その苦しんでいる生き物から逃げようとするのではなく、反対に出来るだけ近づいて助けようとしてあげてください。」 –レオ・トルストイ–

「THE SAVE MOVEMENT」の代表的な活動である「Vigil」は、2010年にカナダ・トロントの人権活動家の女性が犬の散歩途中に屠殺場付近に停車していた豚たちを乗せたトラックに気がつき、彼らに水をあげたことがきっかけではじまりました。実は「Vigil」はもともと「Pig Save @torontopigsave」として活動が始まり、その後牛や鶏に対しても行われるようになり、やがて「Vigil」を主な活動とする「THE SAVE MOVEMENT」という団体が生まれました。今では世界各地の700以上の場所で「Vigil」が行われています。


また「THE SAVE MOVEMENT」は2019年に組織の再構築があり、現在は「ANIMAL SAVE」(動物に特化した団体)、「CLIMATE SAVE」(環境に特化した団体)、「HEALTH SAVE」(健康に特化した団体)の3つに大きく分かれ、ますます活動の幅を広げています。

FounderのAnita Krajncさんと、彼女の愛犬ミシェルと、CLIMATE MARCHにて。

Vigil の流れとルール

続いて「Vigil」の実際の内容についてお話します。
イベントの主催者は、屠殺場の場所や運送スケジュール、トラックのルートや搬入口、1日何匹が現地に搬送され、どのような種類の動物が屠殺されるのか、といった情報を事前に調べておきます。基本的には、屠殺場とトラック運転手、そして地元の警察とも連携しているため、決して団体による無断開催ではありません。

多くの場合、動物と活動家たちに与えられる時間は 2分 です。屠殺場に入る前にトラックが一時停車してくれる、このたった2分の時間だけが、これから自らの意思に反して殺されていく彼らと私たちが共有できる唯一の時間です。彼らを前にすると胸が絞められる思いになります。しかしこの活動では、私たち参加者が、泣き叫んで騒いだり、運転手や屠殺場従業員を罵倒したりすることを禁じています。対立的で挑戦的なやり方は厳禁です。全ての関係者の安全を第一に、平和で(本質的には「平和」とは言い難いですが)合法的に遂行することを重視しています。「愛と非暴力」をモットーに礼儀正しく行動することが、全ての参加者に求められています。

 
 
 
 
 
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Best villain on screen, best hero in life. Joaquin Phoenix came out to bear witness after winning the SAG Award for Best Male Actor. 📷 @bobbysud . . @laanimalsave pig vigil . . ‼️Visit our website for more information or starting your own group www.laanimalsave.org ‼️Text PIGS to 66866 to get vigil details weekly ‼️Get shirts, hoodies, tote bags, buttons and more at our weekly pig vigils! ‼️Questions? Email info@laanimalsave.org ⚠️Wednesday pig vigils are with @animalalliancenetwork Please contact them for details ⚠️ #vegan #govegan #slaughterhouse #endspeciesism #animalrights #bekind #animallover #vegansofig #factoryfarming #activism #animalliberation #compassion #dinner #meat #mcdonalds #laanimalsave #thesavemovement #wakeupworld @thesavemovement

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なお、この運動はヴィーガンでない人も参加できます。むしろヴィーガンでない人に積極的に参加していただきたいです。普段の生活では触れ合うことのない、これから殺されていく家畜動物たちと実際に触れあう(時間を共有する)ことで、彼らも犬や猫と違いがない、感情のある同じ生き物だということを実感するでしょう。私たちが何気なく使う「感謝していただく」という言葉の実態と現実を知ることで、命の本当の繋がりを取り戻す手助けになると、私は強く信じています。

なんのための活動?

「Vigil」を行う意義や目的についてまとめてみました。

1. 動物たちの最期を見届ける

  「食肉になるため」に生まれ、育てられてきた家畜動物たちですが、彼らも犬や猫のように感情があり、痛みを感じます。殺されるために生まれてから、一度も愛情を注がれたことのない彼らに愛を注ぎ、怯えて、怖がっている彼らの癒しとなり、私たちが彼らの最期の姿を目撃します。

2. 動物たちの様子を記録し、拡散する

 スーパーマーケットなどで見るきれいにプラスチック包装された肉が「誰」であり「どこ」から来ているのかを伝え、消費者の認識と関心を高めます。

3.  活動家としての意識を高める

誰かが撮影した映像や情報に頼るだけではなく、これから殺されていく動物に実際に会いに行き、彼らを「集団」としてではなく「個人」として直視することで、ひとりひとりの死を悼みます。彼らの「生(自由)」のために活動を続けているということを、活動家自身も改めて認識します。

4. 同じ思いを持った活動家のコミュニティ

 私たち活動家は、日々残酷な現実を目にし、見ず知らずの人からの無神経で冷たい反応に傷ついたり馬鹿にされたりしながら、孤独と戦っています。そして、すぐには変わらない世の中に対して、怒りや憤りを感じています。それでも「Vigil」に参加することで、同じ価値観を持った仲間と出会う機会を得ることができます。そして「燃え尽き症候群」にならないようにお互いを支え合います。

5. 菜食の食事法実践と屠殺場閉鎖

世界中の全ての屠殺場を閉鎖し、菜食の食事法移行を目指します。

屠殺現場に潜む人権問題と労働環境

カナダでは屠殺場で働いている多くが、移民や難民といった社会的に立場が弱い人々です。自分の権利を主張することのできない人たちも多くいます。そうした彼らを「利用」して半強制的に屠殺場で働かせていることも少なくありません。

週に5日、1日8時間、来る日も来る日も、感情のある血の通った動物の首を切り続ける暴力的な仕事をしているため、彼ら自身がPTSD (心的外傷後ストレス障害)、うつ病、不安障害の発症や家庭内暴力、引きこもり、薬物乱用、アルコール中毒になってしまったり、最悪の場合は自殺にまで至ってしまうこともあるようです。

立場の弱い彼らは、他に職の選択肢がなく、本当は屠殺場で働きたくなくても、生きていくために働かざるを得ません。消費者の需要がなくならない限り、屠殺場での仕事もなくなりません。

消費者の認識を高め、日々の1日3回の食の選択肢を変えることが、この残酷で深刻な不正を一刻も早く終わらせる近道なのです。

ヴィーガンの活動家には、過去に屠殺場や農場で働いていた方々もいます↓

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・ 「あなたはちょうど食事を終えたところだが、屠殺場は、注意深く、遠くに上手く隠されており、そこには共謀がある。」 − ラルフ・ワルド・エマーソン ・ “You have just dined, and however scrupulously the slaughterhouse is concealed in the graceful distance of miles, there is complicity.” – Ralph Waldo Emerson ・ ・ @seb.alex @craig.whitney1985

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家畜動物たちの短すぎる寿命

屠殺場に到着するトラックの中の10%ほどの動物が、怪我や病気で動けない状態、ひどい時には死んでしまいます。殺される前なので、時には数日間もかかる長い旅の中、食べ物はもちろんの事、水さえも与えられません。夏には暑さで、冬には寒さで亡くなってしまうこともあります。

  • 豚は食用で生後約6ヶ月、繁殖用の雌豚は子供が産めなくなる2-3歳で屠殺。(自然寿命:約15年)
  • 牛は食用で生後約18ヶ月、乳牛は子供が産めなくなりお乳が出なくなる4-7年、長いと10年以上にも。(自然寿命:約20年)
  • 鶏は採卵用で18ヶ月、食用で生後35日-42日。(自然寿命:約8年)

これを読んでビックリされた方も多いと思いますが、食べ物のために殺される動物はほとんどみんな赤ちゃんなのです。

私たち人間が動物を食べる理由は主に4つあります。

1.文化 2.習慣 3.利便性 4.味覚 です。

このために多くの動物の赤ちゃんが「食肉」になるために殺されることを、2020年に生きる私たちは今でも「感謝」していていいのでしょうか。「感謝」さえすれば済まされるのでしょうか。

私たち人間は、陸上の畜産動物だけで、年間約560億匹、海洋生物を含む魚介類に関しては270兆匹を超える数を、無差別に殺しています。このまま私たちが食生活を変えなければ、2048年までに海から魚がいなくなる(*2)という研究結果まで出ています。

動物たちを「個人」として認識し、彼らの死を悼む「Vigil」 ほど、パワフルな活動はありません。百聞は一見に如かず、です。彼らに実際に会えば、家畜動物に対する見方は180度変わります。身近にいる犬や猫と何ら変わりのないことが実感できます。

最後に

私の人生初の「Vigil」 は、屠殺場に運ばれてくる豚たちの水やりでした。あの日のことは今でも鮮明に覚えています。豚たちは無垢で心底怯えた、ピンクの大きな子犬にしか見えませんでした。私は「ごめんね」と繰り返し言うことしかできず、涙が後から後から溢れ出し、泣き崩れることしかできませんでした。活動家の仲間に抱きしめてもらい、お互いを慰め合いながら、彼らひとりひとりの死を悼みました。

それでも私には、家に帰れば温かく柔らかいベッドで眠れる幸せがあります。暑い日も寒い日も冷たいコンクリートにすし詰め状態にされ、殺される順番を待つ動物たちの苦しみに比べたら、この辛さは大したものではありません。

翌朝にベッドで目が覚めた瞬間、私が昨日会った豚たちは「もうこの世にはいないのだ」と思い、私の世界も終わったような、絶望的な気分を味わいました。そしてあの時、救い出すことができなかった無力の自分に憤りを強く感じたことは、絶対に忘れることはありません。しかしこの経験が、人間の言葉を話さない動物たちのために私自身が声を上げ続ける意味を、再認識させてくれたと思っています。

ご存じない方も多いかもしれませんが、実は豚は犬よりも頭が良く、人間の2-3歳児と同じくらいの知能を持っていることが研究結果により証明されてます。(*3) 

なぜ私たち人間は、特定の動物を可愛がり、ある特定の動物だけを食べるのでしょうか。その根底には、「種差別」という大きな問題があります。これは文字通り、人間の視点から、生物種の中に優劣を付けて差別するということです。人種差別や性差別も、もとを辿ると同じです。なのでヴィーガンを実践する方には、動物の問題だけでなく、人権問題についても声を上げている方が多くいます。

人も動物も「個人」を知れば、差別的な考えは(ステレオタイプも含めて)取り除かれることが多々あります。これらの問題解決の近道は、彼ら個人と出会うために、自ら歩み寄り、繋がりを持つことではないでしょうか。

最後にみなさんにもう一つ質問です。

人間の赤ちゃんの目の前に、人参と子豚を置きます。

赤ちゃんはどちらを食べ、どちらと一緒に遊ぶでしょうか?

子どもは誰もがヴィーガンの心を持っているのです。それが大人になるにつれて、先ほど述べた4つの主な理由などにより、動物を殺して食べることが何故か正当化されてしまうのです。私もかつては、そんな大人でした。

さて今回の記事で「Vigil」 の実態についてや、この活動の意義が少しでもご理解いただけたら嬉しいです。この記事を読んで、自分が食べているものがどこの誰から来ているのか、また、ペットは可愛がり決して食べることはないのに、ある特定の動物は「人間に食べられるために生産されていること」の矛盾について、ぜひ考えてみてください。そしてみなさんが、動物、環境、自分自身にも優しい生き方を選択をしてくださることを、心から願っています。

【参考】

*1 https://thesavemovement.org/the-save-movement/

*2 https://www.nationalgeographic.com/animals/2006/11/seafood-biodiversity/

*3 https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3122303/Move-Lassie-IQ-tests-reveal-pigs-outsmart-dogs-chimpanzees.html

動画の豚は生後6ヶ月の赤ちゃん。鏡に反映している餌の隠し場所を探し出すのに豚は数時間しかかからなかった反面、人間の子どもは数ヶ月かかるという。

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